地下アイドルの対バンセトリの組み方!15分・20分・25分の曲順とMC例

地下アイドルの対バンライブでは、持ち時間が15分、20分、25分など短く設定されることがあります。その限られた時間で、初めて見る観客にグループ名と魅力を覚えてもらわなければなりません。

好きな曲を順番に並べるだけでは、盛り上がる曲が重なって後半に疲れたり、長いMCで最後の曲を削ったりする可能性があります。

結論からいうと、対バンのセットリストは「その日の目的」「各曲の役割」「秒単位の実演時間」から逆算して作ることが大切です。この記事では、地下アイドルファンとしてライブを見てきた筆者の視点から、15分・20分・25分の曲順例と短いMC例を紹介します。

対バンセトリの基本

  • 音源の合計時間だけでなく、SE・入場・曲間・MC・退場も計算する
  • 1曲目は「一番人気」より、初見客が足を止める曲を選ぶ
  • 中盤で世界観、メンバー、歌唱力など別の魅力を見せる
  • 最後はグループ名とライブの記憶が残る曲で終える
  • 時間超過を防ぐため、最低30秒程度の予備時間を確保する

地下アイドルの対バンセトリは「営業資料」である

対バンでは、自分のグループを見に来たファンだけでなく、ほかの出演者を目的に来場した人もフロアにいます。セットリストは既存ファンを楽しませるだけでなく、新規客へグループを紹介する短いプレゼンテーションでもあります。

現役アイドル運営が公開しているセトリの考え方でも、対バンと単独公演では選び方が異なり、イベントの雰囲気や会場を重視すると説明されています。

対バン前に、まず次のうち何を最優先するか決めてください。

  • 初見客に足を止めてもらう
  • グループの世界観を伝える
  • 新曲を広める
  • 既存ファンとの一体感を作る
  • ライブ後の物販へ来てもらう

すべてを一度に最大化するのは難しいため、「今日は新規獲得」「今日は新曲の定着」のように目的を一つ決めると、曲順に一貫性が生まれます。

持ち時間から曲数を決める計算方法

「20分なら4分の曲を5曲歌える」と考えると、入場や曲間が入らず、ほぼ確実に時間を超えます。次の式で実際に歌える時間を求めましょう。

歌唱に使える時間=持ち時間-SE・入場-MC-曲間-退場-予備時間

たとえば20分枠で、SEと入場に30秒、MCに90秒、曲間に合計30秒、退場に15秒、予備時間に45秒を取ると、曲に使える時間は16分30秒です。

1曲が3分30秒~4分程度なら4曲が現実的です。ただし、曲の長さは作品ごとに違います。平均で決めず、実際にライブで使用する音源の秒数を合計してください。

時間表に入れる項目

項目見落としやすい時間
登場SE再生開始からメンバーが定位置へ着くまで
曲本編ライブ用音源の正確な再生時間
曲間暗転、立ち位置変更、次の音源が始まるまで
MC自己紹介、告知、観客の反応を待つ時間
トラブル対応マイク、音源、衣装などの小さな遅れ
退場挨拶をして全員がステージから出るまで

ライブハウスや主催者によっては、登場SEを持ち時間に含めない場合もあります。出演要項の文面だけで判断できないときは、「SE開始から持ち時間ですか」「終了は曲が終わった時点ですか、退場完了ですか」と事前に確認しましょう。

対バンセトリで各曲に持たせる5つの役割

1.足を止める曲

フロアへ入ってきた人や後方で待っている人に、「このグループを見てみよう」と思わせる曲です。短いイントロ、印象的な掛け声、強いリフ、全員ユニゾンなど、始まった瞬間に特徴が伝わる曲が候補になります。

2.グループを説明する曲

衣装とコンセプト、歌詞、振り付けが一致し、「私たちはこういうグループです」と説明できる曲です。一番盛り上がる曲でなくても、グループ名と世界観が残るなら重要な役割を持ちます。

3.メンバーを見せる曲

ソロパート、ペアの掛け合い、センター交代などにより、個々の顔や声を覚えてもらう曲です。全曲を全員ユニゾンにすると、初見客にはメンバーの違いが伝わりにくくなります。

4.空気を変える曲

速い曲が続いた後に聴かせる曲を入れる、かわいい曲の後にロック曲を入れるなど、ライブに緩急を作ります。観客を休ませるだけでなく、グループの表現の幅を見せる役割があります。

5.記憶を残す曲

最後にもう一度サビを一緒に歌う、グループ名を叫ぶ、決まった振りをまねしてもらうなど、終演後も思い出せる曲です。代表曲、新曲、物販で会話につながる曲を置くと、次の行動を促しやすくなります。

15分対バンのセトリ例

15分枠は、3曲+短いMCが最も安全です。2分台の短い曲が複数ある場合は4曲も可能ですが、自己紹介と退場を含めて秒数を確認してください。

15分・初見獲得型の曲順

順番内容役割
SE・登場約30秒グループの空気を作る
1曲目最も入口が分かりやすい曲足を止める
2曲目コンセプトを象徴する曲グループを説明する
MC45~60秒名前と物販だけ伝える
3曲目コール・振りコピ曲一体感と記憶を残す
退場約15秒時間内に退出する

15分MCの例

「ありがとうございます!私たち、〇〇から来ました、5人組アイドルの『グループ名』です!初めましての方も、最後の曲は手を上げるだけで一緒に楽しめます。終演後は物販にいるので、ぜひ名前だけでも覚えて帰ってください。それでは最後の曲です!」

15分枠では、一人ずつ長く自己紹介すると曲の印象が薄くなります。名前を全員で言う、メンバーカラーを見せるなど、30秒程度で終わる形を事前に練習しておきましょう。

15分で4曲入れる条件

4曲入れたい場合は、ライブ用音源の合計が12分前後に収まり、SE・MC・曲間・退場を加えても制限時間を超えないことが条件です。MCを完全に削るより、曲間の煽りでグループ名を言う方法があります。

20分対バンのセトリ例

20分枠は4曲+MCが基本形です。曲の長さによっては5曲も可能ですが、初見客へ名前を伝える時間と予備時間を削りすぎないようにします。

20分・王道型の曲順

順番内容役割
SE・登場約30秒期待を作る
1曲目イントロの強い代表曲足を止める
2曲目かわいい曲・振りコピ曲参加させる
MC60~90秒グループ紹介・次曲の導入
3曲目歌唱・世界観を見せる曲印象を深める
4曲目最も記憶に残したい曲物販と次回へつなぐ
退場約15秒挨拶して退出

20分MCの例

「改めまして、私たちは『グループ名』です!今日初めて見つけてくれた方、ありがとうございます。私たちは〇〇をコンセプトに、毎週都内を中心にライブしています。次は私たちの世界観を一番感じてもらえる曲です。そして最後は、初めてでも一緒にできる振りがあります。最後までよろしくお願いします!」

出演情報をすべて読み上げる必要はありません。「今日の終演後物販」「次の重要ライブ」のどちらか一つに絞り、詳細はSNSやフライヤーへ誘導すると時間を守れます。

20分・ノンストップ型の曲順

MCが苦手なグループや、ロック系で勢いを切りたくない場合は、4曲をほぼ連続して披露する構成もあります。

  1. 掛け声やSEから直結する1曲目
  2. テンポを落とさず続ける2曲目
  3. 短い煽りから世界観の強い3曲目
  4. グループ名を言って代表曲へ

ただし、曲を連続させるだけでは、初見客がグループ名を知らないまま終わります。音源内の掛け声、曲間の10秒、最後の挨拶のいずれかで、グループ名を最低2回は伝えましょう。

25分対バンのセトリ例

25分枠は5曲+MCを基本にすると、盛り上がりと表現の幅を両立できます。短い曲が多ければ6曲も可能ですが、曲数を増やすことだけを目的にしないでください。

25分・物語型の曲順

順番内容役割
SE・登場約30~45秒世界観へ入れる
1曲目強い代表曲足を止める
2曲目メンバーの個性が見える曲顔と声を覚えてもらう
MC1約60秒グループ紹介
3曲目聴かせる曲・ダーク曲空気を変える
4曲目新曲またはカバー曲話題を作る
MC2約30~45秒最後の参加方法を伝える
5曲目最も一体感を作れる曲記憶と熱量を残す
退場約15秒告知せず速やかに退出

25分MCの例

「ありがとうございます!私たちは『グループ名』です。〇〇をテーマに、楽しいだけでは終わらないライブを作っています。ここからは少し雰囲気を変えて、私たちの物語を込めた曲を聴いてください。」

「残り1曲です!初めての方は、サビで私たちと一緒に右手を上げてください。今日ここで出会えたことを忘れないように、最後は私たちの一番大切な曲を届けます!」

25分あるからといって、トークを増やしすぎる必要はありません。空気を切り替えるMCと、最後の曲へ参加させるMCの2回に役割を分けるとまとまります。

出番によってセトリを変える方法

トップバッター

入場直後でフロアが埋まっていない可能性があります。最初から観客の大声を前提にせず、ステージ上だけでも成立する強い曲を置きましょう。後半に向けて人が増えると考え、代表曲を最後へ残す方法もあります。

中盤

観客がライブに慣れている一方、似たテンポの曲が続いて疲れていることがあります。前後の出演者が王道かわいい系ならロック曲、激しいグループが続くなら歌唱曲など、イベント全体の中で違いを見せます。

トリ前

フロアに人が多く、イベントの熱量も上がっています。盛り上がる曲を出し惜しみせず、グループを知らない人も参加できる構成にします。長い告知で熱を下げないよう注意してください。

トリ

イベント全体を締める役割があります。自分たちのファンだけを対象にせず、出演者と観客全体へ感謝を伝えられる曲を最後に置くと印象がよくなります。アンコールを勝手に想定せず、指定時間内に完結させます。

カバー曲とオリジナル曲の入れ方

活動初期は、知名度のあるカバー曲によって足を止めてもらい、その後にオリジナル曲を聴いてもらう方法があります。

ただし、最後までカバー曲の印象しか残らないと、終演後に原曲名だけ検索され、グループ名を覚えてもらえません。

20分・カバー1曲を含む例

  1. 強いオリジナル曲
  2. 知名度のあるカバー曲
  3. グループの世界観を示すオリジナル曲
  4. ライブで一番育てたいオリジナル曲

カバー曲で集まった視線を、後半のオリジナル曲へ渡す構成です。カバー曲の候補は、地下アイドルがライブでカバーすると盛り上がる曲20選と、地下アイドル向けボカロ曲20選で紹介しています。

初見客を物販へつなげるMCの作り方

対バンMCの目的は、メンバーだけで盛り上がることではなく、初見客が終演後に行動できる情報を渡すことです。

MCに入れる4要素

  1. グループ名
  2. 一言で分かるコンセプト
  3. 初見客が次の曲へ参加する方法
  4. 物販の場所または次の重要ライブ

避けたいMC

  • メンバー同士にしか分からない内輪話
  • 一人ずつ同じ形式で話す長い自己紹介
  • 今後の出演日程をすべて読み上げる
  • 観客の反応があるまで同じ煽りを続ける
  • 前の出演者や会場を否定する発言
  • 時間が押しているのに予定どおり話し続ける

MCは台本を丸暗記するだけでなく、「30秒版」「60秒版」「90秒版」を用意しておくと、当日の進行に合わせて調整できます。

時間超過を防ぐリハーサル方法

  1. 本番用SEと音源をプレイリストへ並べる
  2. 入場前から退場完了まで、止めずに通す
  3. MCで観客の反応を待つ時間も加える
  4. 衣装やマイクを持った状態で立ち位置を変える
  5. 予定より30秒以上長ければMCか曲間を修正する
  6. 音源トラブル時に削るMCを決めておく

音源の再生時間を表計算へ入力するだけでは、メンバーが移動する時間や歓声を待つ時間が入りません。必ず実演して計測しましょう。

セトリを改善する振り返り項目

ライブ後は「盛り上がった・盛り上がらなかった」だけで終わらず、次の項目を記録します。

  • 1曲目でフロアへ入ってきた人数
  • 初見客が振りコピを始めた場所
  • メンバー名やグループ名が伝わったか
  • MCでフロアの空気が止まらなかったか
  • 曲ごとの歌唱とダンスの安定
  • 終演後物販の新規客数
  • ファンから聞かれた曲名
  • 予定時間と実際の終了時間

同じ曲でも、1曲目と最後では反応が変わります。1回のライブで曲そのものを評価せず、出番、会場、客層、曲順を変えて比較してください。

オリジナル曲がセトリで不足していると感じたら

セットリストを組んだとき、「足を止める1曲目がない」「最後にグループ名を残せる曲がない」「似たテンポの曲しかない」と分かることがあります。

その不足こそ、次に制作するオリジナル曲の要件です。「盛り上がる曲を作りたい」だけでなく、次のようにライブでの役割を作曲家へ伝えましょう。

  • 対バン1曲目で初見客をつかむ曲
  • サビを一度で覚えて一緒に歌える曲
  • 中盤で世界観を見せるダーク曲
  • ライブ終盤でファンと一体になる曲
  • メンバー全員にソロの見せ場がある曲

セトリに必要な役割からオリジナル曲を考える

制作費の相場、作曲家の選び方、依頼時に伝える内容は、地下アイドルのオリジナル曲制作を依頼する方法で解説しています。

よくある質問

15分の対バンでは何曲歌えますか?

3曲+短いMCが安全な目安です。2分台の短い曲が複数あり、SE・入場・退場を含めて15分以内に収まるなら4曲も可能です。平均ではなく実際の音源時間で計算してください。

20分の対バンでは何曲が適切ですか?

3分30秒~4分程度の曲なら、4曲+60~90秒のMCが組みやすい構成です。5曲入れる場合は、曲の合計時間と曲間を計測し、最低30秒程度の予備時間を確保しましょう。

25分なら6曲入れたほうが得ですか?

曲数が多いほど満足度が上がるとは限りません。5曲に役割を持たせ、MCと緩急を入れたほうがグループの魅力を伝えられる場合があります。短い曲が多く、ノンストップを強みにするグループなら6曲も選択肢です。

一番盛り上がる曲は最初と最後のどちらですか?

初見客を集めたいなら最初、熱量を残して物販へつなぎたいなら最後が候補です。代表曲が1曲しかない場合は最後へ置き、1曲目にはイントロが強い別曲を使う方法があります。

MCなしでも大丈夫ですか?

MCなしのノンストップライブも可能です。ただし、グループ名と物販情報が伝わらない問題があります。曲間の短い煽り、音源内の掛け声、最後の挨拶を使って最低限の情報を伝えましょう。

毎回同じセットリストでもよいですか?

完成度を高めるために同じセトリを続ける期間は必要です。ただし、出番、イベントのジャンル、客層が違う場合は、1曲目または最後の曲を入れ替えて反応を比較する価値があります。

まとめ

地下アイドルの対バンセトリは、曲の人気順ではなく、持ち時間とライブの目的から逆算して作ります。

15分なら3曲、20分なら4曲、25分なら5曲を基本形とし、実際の音源時間、SE、入場、曲間、MC、退場をすべて合計してください。曲が短ければ増やせますが、時間超過を避ける予備時間も必要です。

1曲目で足を止め、中盤でグループの世界観やメンバーを見せ、最後に名前と熱量を残す。この流れを作ることで、短い対バンでも「もう一度見たい」「物販で話してみたい」と思われるライブへ近づきます。

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