VTuber活動を始めるために機材を調べると、マイクと一緒に「オーディオインターフェース」をすすめられることがあります。
しかし、USBマイクを使う場合にも必要なのか、歌枠をするなら必須なのか、分からない人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、VTuberにオーディオインターフェースが必ず必要なわけではありません。
USBマイクやヘッドセットをPCへ直接つないで配信するなら、基本的には不要です。一方、XLRマイクを使う場合や、歌枠・楽器配信・遅延の少ないモニタリングを重視する場合は必要性が高くなります。
この記事では、オーディオインターフェースが必要な人・いらない人の違いと、VTuberの配信や歌枠に向くおすすめ機種を解説します。
この記事の結論
- USBマイクを使うだけなら基本的に不要
- XLRマイクを使うなら必要
- XLRコンデンサーマイクには48Vファンタム電源が必要
- 歌枠のループバックは便利だが、環境によっては必須ではない
- 配信中の操作性ならYAMAHA AG03MK2が有力候補
- 録音と配信を兼用するならUR22CやScarlett Soloも候補
※商品の価格、在庫、対応OSは変更される場合があります。購入前にメーカー公式情報と、ポチップに表示される最新価格をご確認ください。
VTuberにオーディオインターフェースは必要?
必要かどうかは、使用するマイクの接続方式と、配信で何をしたいかによって決まります。
| 使用環境 | 必要性 | 理由 |
|---|---|---|
| USBマイク | 基本的に不要 | PCへ直接接続できる |
| ヘッドセットマイク | 基本的に不要 | PCやゲーム機へ接続できる |
| XLRダイナミックマイク | 必要 | XLRの音声をPCへ取り込むため |
| XLRコンデンサーマイク | 必要 | PCへの取り込みと48V電源供給が必要 |
| ギター・キーボード演奏 | 必要性が高い | 楽器の音をPCへ取り込むため |
| ゲーム・雑談配信 | 環境による | USBマイクだけでも始められる |
| 歌枠・歌ってみた録音 | あると便利 | 遅延の少ないモニターや音量調整に役立つ |
| マイク2本のコラボ配信 | 必要性が高い | 複数入力をまとめてPCへ送れる |
USBマイクなら基本的に必要ない
USBマイクには、マイクの音をデジタル信号へ変換してPCへ送るための機能が内蔵されています。
そのため、USBケーブルでPCへ直接接続できます。初めてVTuber配信をする人が、USBマイクとオーディオインターフェースを両方購入する必要はありません。
また、一般的なオーディオインターフェースにはUSBマイクを接続する端子がありません。オーディオインターフェースを追加すれば、現在のUSBマイクが自動的に高音質になるわけでもありません。
XLRマイクを使うなら必要
XLRマイクは、そのままでは一般的なPCへ接続できません。
オーディオインターフェースにXLRマイクをつなぎ、マイクの小さな音声信号を増幅して、PCで扱えるデジタル信号へ変換します。
AT2020などのXLRコンデンサーマイクを使う場合は、48Vファンタム電源に対応した製品を選びましょう。
歌枠でも必ず必要とは限らない
歌枠でBGMとマイク音声を配信する場合、ループバック機能があると音声をまとめやすくなります。
ただし、OBS StudioでPCの音声とマイクを別々に取り込める環境なら、ループバック機能がなくても歌枠を行える場合があります。
ループバックが特に役立つのは、次のようなケースです。
- マイクとPC内のBGMを1つの音声として配信したい
- スマートフォンの配信アプリを使う
- DAWで加工した声を配信へ戻したい
- 配信アプリが複数の音声入力に対応していない
- ソフト側の複雑な音声設定を減らしたい
オーディオインターフェースでできること
XLRマイクをPCへ接続できる
オーディオインターフェースの基本的な役割は、マイクや楽器のアナログ音声を、PCで扱えるデジタルデータへ変換することです。
XLRマイクを使用したいVTuberには、ほぼ必須の機材です。
マイクの入力音量を手元で調整できる
本体のゲインノブやフェーダーを使い、マイクの入力音量を調整できます。
大きな声を出す歌枠と、小さな声で話す雑談配信では適切な入力音量が異なります。物理的な操作部分があると、配信前の調整がしやすくなります。
遅延を抑えて自分の声を確認できる
ダイレクトモニター機能に対応した製品なら、PCの処理を経由せずに自分の声をヘッドホンで確認できます。
歌声が遅れて聞こえると歌いにくくなるため、歌枠や歌ってみた録音では重要な機能です。
コンデンサーマイクへ電源を供給できる
XLR接続のコンデンサーマイクの多くは、48Vファンタム電源を必要とします。
すべての製品が対応しているとは限らないため、購入前に「+48V」「ファンタム電源」の記載を確認してください。
BGMとマイクをまとめられる
ループバック機能を使うと、オーディオインターフェースへ入力したマイク音声と、PCで再生したBGMやゲーム音を混ぜて、配信ソフトへ送り返せます。
ZOOMは、ループバックを「入力音声とPCで再生した音声をミックスして再度PCへ入力する機能」と説明しています。
VTuber向けオーディオインターフェースおすすめ5選
YAMAHA AG03MK2|配信初心者の総合候補
YAMAHA AG03MK2は、ライブ配信向けの機能を重視したミキサー型のオーディオインターフェースです。
- XLRマイクを接続できる
- 48Vファンタム電源に対応
- ループバック機能を搭載
- 60mmフェーダーで音量を操作できる
- リバーブやコンプレッサーなどを利用できる
- マイクのミュート操作が可能
- PC・タブレット・スマートフォン配信に対応
配信中に音量を手元で調整しやすいことが大きな特徴です。
雑談、ゲーム実況、歌枠など、複数の配信スタイルを1台で扱いたい初心者に向いています。
向いている人
- 初めてXLRマイクを導入する人
- 雑談・ゲーム・歌枠を幅広く行う人
- 配信中に物理フェーダーで音量を変えたい人
- リバーブなどの配信向け機能を使いたい人
注意点:マイクを2本同時に使いたい場合は、入力数が足りない可能性があります。コラボ配信を予定している人はAG06MK2なども検討しましょう。
ZOOM AMS-24|コラボ配信や楽器配信に使いやすい
ZOOM AMS-24は、音楽制作とライブ配信の両方を想定して設計されたUSBオーディオインターフェースです。
- XLR/TRSコンボ入力を2系統搭載
- ヘッドホン出力を2系統搭載
- MUSIC/STREAMINGモードを切り替えられる
- ループバック機能を搭載
- ダイレクトモニターに対応
- 48Vファンタム電源に対応
- Windows・Mac・iOS・Androidに対応
マイクを2本接続したいコラボ配信や、歌と楽器を同時に扱いたい配信に向いています。
2つのヘッドホン端子があるため、2人で同じ音を確認しながら配信・収録したい場合にも便利です。
向いている人
- 2人でコラボ配信をする人
- 弾き語り配信をする人
- 録音とライブ配信を切り替えて使う人
- スマートフォンでも使いたい人
注意点:リバーブなどの歌向けエフェクトを本体だけで積極的に使いたい人は、AG03MK2やUR22Cとの違いを確認しましょう。
Steinberg UR22C|歌枠と歌ってみた録音を兼用
Steinberg UR22Cは、配信だけでなく、ボーカル録音や音楽制作にも使いやすいオーディオインターフェースです。
- XLR/TRSコンボ入力を2系統搭載
- 48Vファンタム電源に対応
- ループバック機能を搭載
- DSPエフェクトを利用できる
- 遅延を抑えたモニタリングに対応
- USB-C接続のiPad Proなどにも対応
内蔵DSPを利用して、PCへの負担を抑えながらモニター音へリバーブなどを加えられます。
歌枠だけでなく、歌ってみた動画やオリジナル曲のボーカル録音にも取り組みたい人に向いています。
向いている人
- 歌枠を定期的に行う人
- 歌ってみた動画を録音する人
- DAWを使った音楽制作にも挑戦する人
- マイクと楽器を同時に接続したい人
注意点:AG03MK2のような大きな物理フェーダーはありません。配信中の直感的な操作より、録音や音楽制作との兼用を重視する人向けです。
Focusrite Scarlett Solo 第4世代|マイク1本の歌録り向け
Focusrite Scarlett Solo 第4世代は、マイク入力1系統と楽器入力1系統を備えたシンプルなオーディオインターフェースです。
- XLRマイク入力を1系統搭載
- 48Vファンタム電源に対応
- ダイレクトモニターに対応
- ステレオループバックチャンネルを搭載
- マイクと楽器を接続できる
マイクを1本だけ使い、歌やナレーションを録音したい人に向いています。
第4世代のScarlett Soloには、PCで再生した音を録音・配信へ戻すためのループバック機能があります。
向いている人
- 一人で歌枠や収録をする人
- マイク1本のシンプルな環境を作りたい人
- 歌ってみたやナレーション録音も行う人
- ギターを接続して録音する人
注意点:物理フェーダーや配信向けの大きなミュートボタンはありません。ライブ配信中の操作性を最優先する場合は、AG03MK2と比較しましょう。
YAMAHA AG06MK2|複数入力を使う配信向け
YAMAHA AG06MK2は、AG03MK2より入力数が多いライブストリーミングミキサーです。
複数のマイク、楽器、外部機器などを組み合わせたい配信に向いています。
向いている人
- 複数人で配信する人
- マイクを2本使いたい人
- 弾き語りや楽器配信を行う人
- 複数の外部機器をまとめたい人
注意点:一人でマイクを1本しか使わない場合は、AG03MK2で十分な可能性があります。使わない入力のために予算を増やさないよう、必要な端子数を先に確認しましょう。
おすすめ5機種の比較表
| 機種 | マイク入力 | ループバック | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| AG03MK2 | 1系統 | 対応 | 一人配信・歌枠 |
| ZOOM AMS-24 | 2系統 | 対応 | コラボ・楽器配信 |
| Steinberg UR22C | 2系統 | 対応 | 歌枠・宅録 |
| Scarlett Solo 第4世代 | 1系統 | 対応 | 歌録り・ナレーション |
| AG06MK2 | 複数入力向け | 対応 | コラボ・楽器・外部機器 |
初めての一人配信ならAG03MK2、2人で使うならAMS-24、本格的な歌録りまで行うならUR22CまたはScarlett Soloが候補です。
VTuber向けオーディオインターフェースの選び方
ループバック機能を確認する
PC内のBGMやゲーム音とマイク音声をまとめて配信したい場合は、ループバック機能が便利です。
ただし、OBSで音声を個別に設定できるなら、ループバックなしでも対応できる場合があります。
「歌枠をするから必須」と考えるのではなく、使用する配信アプリと音声経路を確認して判断しましょう。
マイク入力の数を確認する
一人でマイクを1本だけ使うなら、マイク入力は1系統でも足ります。
次の場合は2系統以上を検討してください。
- 2人でコラボ配信する
- 歌とギターを同時に入力する
- マイクと外部音源を接続する
- ステレオ出力の楽器を使用する
48Vファンタム電源を確認する
XLRコンデンサーマイクを使用する場合は、48Vファンタム電源が必要になることがあります。
マイクとオーディオインターフェースの両方の仕様を確認してください。
ダイナミックマイクでは通常ファンタム電源を使用しません。使用方法が分からない場合は、マイクメーカーの説明書に従いましょう。
ダイレクトモニター機能を確認する
歌枠や録音では、自分の声を遅延なく聞けることが重要です。
PCを経由した音声は処理によって遅れる場合があります。ダイレクトモニターに対応していれば、入力された声を直接ヘッドホンへ送れます。
配信中の操作方法を確認する
配信中に音量を頻繁に変更するなら、フェーダーや大きなミュートボタンがある機種が便利です。
一方、録音前に一度設定して、その後は触らない場合は、シンプルなノブ式でも問題ありません。
使用するOSと端子を確認する
Windows、Mac、iPhone、iPad、Androidでは、必要なドライバーやケーブルが異なる場合があります。
- 使用するOSに対応しているか
- USB-AとUSB-Cのどちらで接続するか
- スマートフォンへ給電が必要か
- 専用ドライバーをインストールできるか
- 配信アプリが外部音声入力に対応しているか
端子の形だけが合っていても、正常に動作するとは限りません。
配信内容別のおすすめ
雑談配信・ゲーム実況
USBマイクで問題なく配信できているなら、急いでオーディオインターフェースを購入する必要はありません。
XLRマイクへ移行し、手元で音量やミュートを操作したい場合はAG03MK2が候補です。
歌枠
歌枠では、マイク入力、ダイレクトモニター、ループバック、リバーブなどを確認しましょう。
配信中の扱いやすさならAG03MK2、歌ってみた録音との兼用ならUR22CやScarlett Soloが候補です。
弾き語り配信
歌と楽器を同時に接続する場合は、必要な入力数を確認してください。
AMS-24、UR22C、AG06MK2などが候補になります。ステレオ出力のキーボードを接続する場合は、さらに多くの入力が必要になることがあります。
コラボ配信
マイクを2本使う場合は、マイク入力が2系統ある機種が必要です。
AMS-24はマイク入力とヘッドホン出力を2系統備えているため、2人で同じ音を確認する構成を作りやすくなっています。
ボイスチェンジャーを使う配信
リアルタイムのボイスチェンジャーでは、音声の遅延やドライバーの安定性が重要です。
使用するボイスチェンジャー、DAW、OBS、オーディオインターフェースの対応状況を確認してください。
オーディオインターフェースだけを高性能にしても、PCの処理能力やバッファー設定によっては遅延が発生します。
USBマイクから買い替えるべきタイミング
次の悩みが出てきたら、XLRマイクとオーディオインターフェースへの移行を検討するタイミングです。
- 歌枠で自分の声を遅延なく確認したい
- マイクゲインを手元で細かく調整したい
- 歌ってみたの録音品質を上げたい
- 複数のマイクや楽器を接続したい
- 配信中にリバーブやミュートを操作したい
- マイクだけを将来交換できる構成にしたい
現在のUSBマイクで困っていない場合は、先に部屋の反響、マイクの距離、OBSの音声設定を見直す方が効果的なこともあります。
よくある質問
オーディオインターフェースを使うだけで音質は良くなりますか?
必ず良くなるとは限りません。
マイク、マイクプリアンプ、入力音量、部屋の反響、マイクとの距離など、複数の要素が音質に影響します。
USBマイクは一般的なオーディオインターフェースへ接続しないため、オーディオインターフェースを追加するだけでは改善しません。
VTuber初心者はAG03MK2を買えば間違いありませんか?
一人でXLRマイクを使い、雑談・ゲーム・歌枠を行う人には有力候補です。
ただし、USBマイクだけで配信する人には不要な場合があります。また、マイク2本を使う場合は入力数が足りない可能性があります。
歌枠にはループバックが必須ですか?
必須とは限りません。
OBSでマイクとPC音声を別々に取り込める場合は、ループバックを使わずに配信できることがあります。スマートフォン配信や、音声を1つにまとめる必要があるアプリでは便利です。
コンデンサーマイクにはどの機種でも使えますか?
XLRコンデンサーマイクを使う場合は、必要なファンタム電源に対応しているか確認してください。
また、USBコンデンサーマイクはオーディオインターフェースを経由せず、PCへ直接接続するのが基本です。
歌ってみた録音とライブ配信では選び方が違いますか?
違います。
歌ってみた録音では、録音音質、マイクプリアンプ、DAWとの相性、入出力数などが重要です。
ライブ配信では、ループバック、ミュート、物理フェーダー、DSPエフェクトなどの操作性も重要になります。
ボーカル録音を中心に選びたい方は、「歌ってみたにオーディオインターフェースは必要?初心者向けおすすめ機種と選び方」も参考にしてください。
まとめ|USBマイクなら不要、XLRマイクなら必要
VTuberにオーディオインターフェースが必ず必要なわけではありません。
- USBマイクなら基本的に不要
- XLRマイクなら必要
- XLRコンデンサーマイクでは48V電源を確認
- 歌枠ではダイレクトモニターが便利
- ループバックは配信環境によって必要性が変わる
- マイクや楽器の本数に合った入力数を選ぶ
一人で幅広い配信をするならAG03MK2、2人で使うならAMS-24、歌録りまで本格的に行うならUR22CやScarlett Soloが候補です。
商品名だけで決めず、使用するマイク、配信アプリ、PC・スマートフォン、入力数を整理してから選びましょう。