※この記事は『進撃の巨人』The Final Seasonおよび原作第116話までの重大なネタバレを含みます。
グリーズは、ニコロと一緒にレストランで働いていたマーレ出身の兵士です。
登場場面が少ないため、「ニコロの友人?」「なぜサシャを侮辱した?」「誰に撃たれた?」と分かりにくい人物でもあります。
結論からいうと、グリーズはパラディ島へ派遣されたマーレ軍兵士で、捕虜となった後もエルディア人への差別意識を捨てられなかった人物です。同じ境遇でサシャを愛するようになったニコロとは、正反対の道を選びました。
最期はサシャへの暴言を続けた直後、イェレナに頭を撃たれて死亡します。
グリーズの要点
- マーレ軍の調査船団でパラディ島へ来た兵士
- 捕虜となった後、ニコロと同じレストランで働く
- イェレナやイェーガー派側へ情報を流していた
- 島の人々を「悪魔」とみなす差別意識を持ち続けた
- ニコロのサシャへの思いを侮辱し、イェレナに射殺された
- 声優は宮本淳
『進撃の巨人』グリーズとは何者?
| 名前 | グリーズ |
|---|---|
| 出身・所属 | マーレ軍の兵士 |
| パラディ島での仕事 | レストランの給仕 |
| 関係が深い人物 | ニコロ、イェレナ |
| 思想 | エルディア人への強い差別意識を持つ |
| 声優 | 宮本淳 |
| 生死 | 死亡 |
| 最期 | イェレナに銃で頭を撃たれる |
グリーズは、マーレ軍がパラディ島へ送った調査船団の一員です。
マーレは始祖の巨人を奪還するため、パラディ島の様子を探る調査船を繰り返し派遣していました。しかし、義勇兵の協力を得た調査兵団によって船は拿捕され、乗組員は捕虜になります。
グリーズもニコロと同じマーレ兵捕虜として島で生活し、レストランで働くようになりました。
反マーレ派義勇兵とは立場が違う
グリーズをイェレナやオニャンコポンと同じ「反マーレ派義勇兵」と説明する記事もありますが、厳密には注意が必要です。
イェレナたちはマーレに制圧された国の出身者を中心に、ジークへ従っていた義勇兵です。一方、グリーズとニコロは、もともとマーレ軍の調査船に乗っていた捕虜でした。
グリーズは後にイェレナ側へ協力しますが、最初から同じ思想を持つ義勇兵だったと断定するより、捕虜となったマーレ兵がイェレナの計画へ加担したと捉えるほうが正確です。
グリーズとニコロの関係
グリーズとニコロは、同じマーレ軍兵士としてパラディ島へ渡り、捕虜になった後も同じレストランで働いていました。
同郷・同僚に近い関係ですが、物語の中では2人の考え方が正反対になっていきます。
| 比較 | グリーズ | ニコロ |
|---|---|---|
| パラディ島の人々 | 最後まで「悪魔」とみなす | 交流を通じて一人の人間として見る |
| サシャへの感情 | 侮蔑し、ニコロをからかう | 料理を喜ぶ姿に救われ、深く思う |
| 島での変化 | 差別意識を維持 | 価値観が大きく変化 |
| 物語での役割 | 憎しみを手放さない側 | 交流によって壁を越える側 |
同じ環境でも異なる結論へ進んだ
グリーズとニコロは、ほぼ同じ立場でパラディ島の人々と接しました。それでも、ニコロはサシャとの出会いによって「島の悪魔」という教育を疑うようになり、グリーズは差別意識を残しました。
この対比は、育った環境や教育が人へ与える影響の大きさと同時に、実際の交流を通じて考えを変えられるかどうかを示しています。
ニコロが最初から差別のない善人だったわけではありません。島へ来た当初は、彼もエルディア人を恐れ、嫌悪していました。それでもサシャが料理を心から喜んだことで、目の前の人間を見るようになります。
グリーズはその変化を受け入れられず、ニコロが敵へ心を許したと嘲笑しました。
グリーズはイェーガー派と内通していた?
グリーズはレストランで働きながら、裏ではイェレナ側へ協力していました。
ハンジ、ミカサ、アルミンたちがニコロのレストランを訪れた際、その動きをイェーガー派へ伝えています。その結果、フロックたちはレストランを包囲し、兵団側の人物を拘束できました。
ただし、グリーズがエレンの思想を深く理解し、自発的なイェーガー派兵士になったとまでは描かれていません。
確認できるのは、次の点です。
- レストラン側の情報をイェレナたちへ流した
- イェレナの指示に従って行動していた
- ジークの脊髄液入りワインに関わる計画を知っていた
そのため、「イェーガー派と内通していた」「イェレナ側の協力者だった」と表現するのが安全です。
グリーズがサシャへ暴言を吐いた理由
グリーズは拘束されたニコロを前にして、サシャを「悪魔」と決めつけ、ニコロが彼女へ好意を持っていたことを侮辱しました。
この暴言には、単なる性格の悪さだけでなく、マーレ社会で植え付けられたエルディア人への差別意識が表れています。
マーレではパラディ島の人々を「悪魔」と教育していた
マーレでは、かつて巨人の力で世界を支配したエルディア帝国の歴史が強調され、パラディ島の住民は世界を脅かす「島の悪魔」と教えられていました。
グリーズにとって、サシャは一人の明るい女性ではなく、マーレ兵を殺した敵であり、教育どおりの「悪魔」でした。
レベリオ襲撃で仲間を失った恨みも重なり、サシャを理解しようとはしません。
ニコロの変化を認めたくなかった
ニコロは料理人として、自分の料理をおいしそうに食べるサシャに心を動かされました。彼女との交流は、ニコロがマーレで教えられた偏見を超えるきっかけになります。
しかし、グリーズから見れば、マーレ人であるニコロが敵のエルディア人へ心を許したことになります。
グリーズの暴言は、サシャへの憎悪だけでなく、ニコロの価値観が変わったことへの苛立ちや軽蔑を含んでいました。
暴言のセリフは何だった?
グリーズは、サシャを悪魔や売女に相当する強い言葉で罵り、ニコロが彼女に夢中だったことを嘲笑します。
ここでは著作権上、セリフ全文の転載は避けますが、要旨は「敵である島の女に惚れたニコロは正気ではない」というものです。
すでに亡くなったサシャへの侮辱を聞き、ニコロは激しく怒りました。
グリーズの最期|誰に殺された?
グリーズを殺したのはイェレナです。
ニコロを侮辱し、サシャへの差別的な暴言を続けるグリーズに対し、イェレナは銃を向け、頭部を撃ち抜きました。グリーズはその場で死亡します。
イェレナはサシャのために撃った?
一見すると、イェレナがサシャへの侮辱に怒り、ニコロを助けたようにも見えます。しかし、サシャを思って復讐したと断定できる場面ではありません。
イェレナはグリーズの差別発言を不快としながら、同時に自分の許可なく話し続けた部下を処分し、その場の主導権を完全に握りました。
イェレナは直後に、自分たちが進めてきた計画とジークの「安楽死計画」を語り始めます。グリーズの射殺には、次の意味が重なっていると考えられます。
- エルディア人への露骨な侮辱を制止する
- 勝手に発言した協力者を処分する
- その場にいる全員を恐怖で従わせる
- 自分の語る理想と計画へ意識を向けさせる
イェレナ自身もジークを神のように崇拝し、目的のために人を殺せる危うい人物です。グリーズを撃ったからといって、単純な正義の味方になったわけではありません。
グリーズの死亡は何話?
| 媒体 | 該当話 |
|---|---|
| 原作漫画 | 第116話「天地」 |
| 単行本 | 第29巻 |
| テレビアニメ | The Final Season 第75話「天地」 |
グリーズが死亡するのは、原作第116話「天地」です。単行本では第29巻に収録されています。
アニメではThe Final Season第75話「天地」に当たります。第73話「暴悪」にはエレン、ミカサ、アルミンの衝突などが描かれるため混同されやすいのですが、グリーズがイェレナに撃たれる場面は第75話です。
グリーズの声優は宮本淳
アニメ『進撃の巨人』でグリーズを演じた声優は、宮本淳(みやもと・じゅん)さんです。
| 名前 | 宮本淳 |
|---|---|
| 誕生日 | 1月25日 |
| 出身地 | 東京都 |
| 身長 | 172cm |
| 血液型 | B型 |
| 所属 | ケンユウオフィス |
宮本淳さんは、アニメだけでなく海外ドラマや映画の吹き替えで幅広く活躍しています。
所属事務所の公式プロフィールでは、主な出演作として次の作品が掲載されています。
- 「シカゴ P.D.」ジェイ・ハルステッド役
- 「シカゴ・ファイア」ジェイ・ハルステッドほか
- 「デアデビル:ボーン・アゲイン」ベンジャミン・“デックス”・ポインデクスター/ブルズアイ役
- 「エクスパンス -巨獣めざめる-」アレックス役
- ゲーム「Fallout 4」
詳しい経歴やボイスサンプルは、ケンユウオフィス公式プロフィールで確認できます。
グリーズは出番の多い人物ではありませんが、宮本淳さんの低く嫌味を含んだ演技によって、ニコロとの価値観の違いと最期の緊張感が強調されていました。
グリーズが物語で示したもの
グリーズは物語全体から見れば脇役ですが、『進撃の巨人』の重要なテーマを凝縮した人物です。
憎しみは環境が変わるだけでは消えない
グリーズはパラディ島で暮らし、実際のエルディア人と接する機会を得ました。それでも偏見を捨てませんでした。
敵と同じ場所で生活すれば自然に分かり合えるとは限らず、本人が相手を知ろうとしなければ、教育された憎しみは残り続けます。
ニコロの変化を際立たせる存在
グリーズがいたからこそ、ニコロの変化が偶然ではなく、本人の選択だったことが分かります。
2人は同じマーレ兵で、同じ島へ連れてこられ、同じレストランで働きました。それでもニコロはサシャを一人の人間として愛し、グリーズは「島の悪魔」としか見ませんでした。
グリーズは、ニコロが選ばなかったもう一つの道を体現しています。
差別する側も権力に使い捨てられる
グリーズはイェレナの計画へ協力していましたが、彼女にとって対等な仲間ではありませんでした。不要な発言をした瞬間に、ためらいなく処分されます。
他者を「悪魔」と呼び、人間として扱わなかったグリーズ自身も、最後は大きな計画の中で使い捨てにされました。
この皮肉な最期も、『進撃の巨人』らしい描写です。
よくある質問
グリーズはマーレ人ですか?
マーレ軍兵士として登場します。パラディ島へ派遣された調査船団の一員で、船を拿捕された後に捕虜となりました。ただし、家系や民族など詳しい出自は作中で説明されていないため、「マーレ軍所属」以上のことは断定しないほうが正確です。
グリーズとニコロは兄弟ですか?
兄弟ではありません。同じマーレ軍に所属し、捕虜となった後は同じレストランで働いていた同僚です。
グリーズはなぜサシャを嫌っていた?
マーレで受けた反エルディア教育、レベリオ襲撃で仲間を失った恨み、ニコロが敵へ好意を持ったことへの反発が重なったと考えられます。
グリーズを撃ったのは誰?
イェレナです。サシャとニコロへの侮辱を続けたグリーズの頭部を銃で撃ち、その場で死亡させました。
イェレナはサシャを守るためにグリーズを殺した?
サシャへの暴言を不快に感じた可能性はありますが、それだけが理由とは断定できません。勝手に発言するグリーズを処分し、その場を支配して計画を語る意図もあったと考えられます。
グリーズの死亡は原作・アニメの何話?
原作第116話「天地」(単行本29巻)、アニメThe Final Season第75話「天地」です。
まとめ|グリーズはニコロと対照的な道を選んだマーレ兵
グリーズは、ニコロと同じマーレ軍兵士としてパラディ島で捕虜になった人物です。
- 捕虜となった後はニコロと同じレストランで働いた
- イェレナ側へ協力し、兵団の動きを伝えていた
- エルディア人への差別意識を捨てられなかった
- サシャとニコロを侮辱した直後、イェレナに射殺された
- 原作第116話・アニメ第75話で死亡
- 声優は宮本淳
同じ環境にいたニコロがサシャとの交流によって変わった一方、グリーズは最後まで「島の悪魔」という見方を捨てませんでした。
登場時間は短くても、偏見を越えたニコロと、憎しみにとどまったグリーズの対比は、『進撃の巨人』が描く差別と対話の難しさを鮮明にしています。
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参考資料
- 講談社『進撃の巨人』既刊・関連作品一覧
- ケンユウオフィス「宮本淳」公式プロフィール
- 諫山創『進撃の巨人』第29巻(講談社)