オーディション用のボイスサンプルを宅録する際に
「マイクにはこだわったけど、ヘッドホンはスマホのイヤホンを使っている」という方は多いのではないでしょうか?
結論から言うと、声優の宅録において「モニターヘッドホン」はマイクと同じくらい重要です。
自分の演技の細かなニュアンスや、不要なノイズ(リップノイズや部屋の環境音)を正確に聞き取るためには、音を脚色しないモニターヘッドホンが欠かせません。
この記事では、声優志望者が宅録環境を整えるために絶対に知っておきたい「モニターヘッドホンの選び方」と、おすすめの機種を音楽制作している筆者がご紹介します。
結論:声優志望の宅録モニターヘッドホンはこの3択!
①【業界標準の絶対王者】SONY MDR-CD900ST

もし一生使える1本を選ぶなら、このモデルです。私も真っ先にかいました!
(しかしケチって中古品を買ってしまったらすぐに断線して壊れてしまいました。絶対的なホンモノですが値段も本物画のがネック!痛い)
SONY MDR-CD900STは、日本のレコーディングスタジオで長年使われ続けている定番モデル。
声優のアフレコ現場や音楽スタジオでも非常によく見かけます。
特徴は↓
- 超フラットな音
- リップノイズまで細かく聞こえる
- プロと同じ環境で練習できる
という点。
音楽を楽しむためではなく、「音の粗を見つける」ためのヘッドホンなので
最初は「こんなに自分の声って下手だったの?」と驚くかもしれません。
しかし、その気付きこそが上達への第一歩です。
こんな人におすすめです。
- 本気で声優を目指している
- 長く使える機材が欲しい
- プロと同じ環境で練習したい
現場に行っても家とおんなじ物があれば安心します。
②【コスパと付け心地バツグン】audio-technica ATH-M40x

(audio-technica ATH-M40x amazonリンク)
「CD900STは少し高い…」
そんな人におすすめなのがATH-M40xです。
音のバランスが非常によく、価格以上の性能があります。
さらに、
- 耳が痛くなりにくい
- 長時間の録音でも疲れにくい
- 折りたたみ可能
という使いやすさも魅力。
宅録だけでなく動画編集や配信にも使える万能モデルです。
コストパフォーマンス重視なら最有力候補でしょう。
(audio-technica ATH-M40x amazon リンク)
③【予算1万円以下の救世主】AKG K240 STUDIO

(↑私が実際に使っているものの写真)
(AKG=アーカーゲーと読みます。元はドイツのメーカなので
名前がカッコイイですね。私もまったく同じものをつかい
シリーズも何個か持っています。)
できるだけ安く始めたい人にはAKG K240 STUDIOがおすすめです。
価格は比較的リーズナブルですが、モニター性能は十分。
特に
- ナチュラルな音
- 音場が広い
- 長時間でも疲れにくい
という特徴があります。
初めてモニターヘッドホンを購入する人でも扱いやすいモデルです。
「まずは宅録を始めたい」という人には十分満足できる性能があります。
まずは始めるのが重要という状態の方に。
ひと目でわかる!おすすめ3機種のスペック比較表
| 製品 | 価格帯 | 音質 | 装着感 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| SONY MDR-CD900ST | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| ATH-M40x | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| AKG K240 STUDIO | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
どれを選んでも宅録には十分使えます。
迷ったら、
- 本気ならCD900ST
- コスパならM40x
- 安く始めたいならK240
という選び方がおすすめです。
なぜ声優の宅録に「普通のイヤホン・ヘッドホン」はNGなのか?

「家にあるイヤホンじゃダメなの?」
と思う人は多いでしょう。
結論から言うと、声優の宅録ではおすすめできません。
理由を見ていきます。
理由①:自分の「ペチャ音(リップノイズ)」に気づけないから

普通のイヤホンは音楽を気持ちよく聴くために作られています。
そのため、
- リップノイズ
- 息
- ノイズ
などを目立ちにくくする傾向があります。
しかし、審査員は高性能なモニター環境で音を聴いています。
自分では気づかなかったノイズが、相手にははっきり聞こえてしまうことも珍しくありません。
理由②:オーディションで「落ちる音源」をそのまま送るハメになるから

声の実力が同じでも、
録音品質だけで評価が下がるケースがあります。
例えば、
- ホワイトノイズ
- ポップノイズ
- リップノイズ
- 音割れ
などです。
普通のイヤホンでは、それらを十分確認できないことがあります。
結果として、「内容は良いのに音質で損をする」音源を提出してしまう可能性があります。
理由③:プロの現場と同じ「音のバランス」に耳を慣らすため

モニターヘッドホン最大のメリットは、
「良い音」ではなく
「本当の音」
が聞こえることです。
最初は違和感がありますが、慣れてくると、
- マイクとの距離
- 声量
- 息遣い
- 発声
まで自然に調整できるようになります。
これは宅録だけでなく、将来スタジオ収録をする際にも役立つ経験になります。
失敗しない!声優志望者がモニターヘッドホンを選ぶ3つの基準
基準①:絶対に「密閉型(クローズド)」を選ぶこと
宅録ではマイクにヘッドホンの音が漏れないことが重要です。
そのため基本的には密閉型がおすすめです。
開放型は音漏れしやすく、録音には向いていません。
基準②:音に味付けがない「フラットな音質」であること
低音が強かったり高音が派手だったりするヘッドホンでは、録音した音を正しく判断できません。
モニターヘッドホンはできるだけフラットな音を再生するため、自分の声の欠点を正確に把握できます。
基準③:長時間セリフを録っても疲れない「装着感」
宅録では何時間も録り直すことがあります。
耳が痛くなるヘッドホンでは集中力が続きません。
軽さやイヤーパッドの柔らかさも、購入前にチェックしておきたいポイントです。
Q. 普段の音楽鑑賞(アニソン等)やゲームにも使えますか?
もちろん使えます。
ただし、音楽鑑賞向けヘッドホンほど低音や高音が強調されていないため、最初は少し物足りなく感じるかもしれません。
その代わり、原音に近い音を楽しめます。
Q. ワイヤレス(Bluetooth)のモニターヘッドホンはダメですか?
おすすめしません。
Bluetooth接続ではわずかな遅延が発生することがあり、録音時に違和感を覚える場合があります。
また、有線モデルの方が音質が安定しやすく、プロの現場でも主流です。
宅録用途であれば、有線タイプを選ぶのが安心です。
(バンドの同期音源に使ってみようとしてみた際
物凄く遅延があり使い物になりませんでした。)
Q. マイクとヘッドホン、どっちにお金をかけるべきですか?
基本的にはマイクが優先です。
ただし、高性能なマイクを使っていても、音を正しく確認できなければ改善点を見つけられません。
理想は、
- しっかりしたコンデンサーマイク
- オーディオインターフェース
- モニターヘッドホン
この3点をバランスよく揃えることです。
まとめ:機材を揃えたら、まずは「自分の本当の声」に絶望しよう
初めてモニターヘッドホンで自分の声を聴くと、多くの人がショックを受けます。
「こんなにリップノイズが入っていたの?」
「滑舌が悪い……」
「息がこんなに目立つなんて」
と感じるのは、ごく自然なことです。
しかし、その「絶望」は成長のスタートラインでもあります。モニターヘッドホンは、自分の弱点を隠すための機材ではなく、改善点を正確に教えてくれるパートナーです。
最初は耳の痛い現実を突きつけられるかもしれませんが、その積み重ねが録音品質を大きく向上させます。
迷ったら、まずは以下の3機種から選べば大きく失敗することはありません。
- 本気でプロを目指すなら:SONY MDR-CD900ST

- コストパフォーマンス重視なら:audio-technica ATH-M40x

(audio-technica ATH-M40x amazon リンク)
- 予算を抑えて始めるなら:AKG K240 STUDIO

良い機材は、あなたの実力を魔法のように引き上げてくれるわけではありません。しかし、本当の課題を見つけ、改善するための近道にはなります。宅録で一歩でもライバルに差をつけたいなら、モニターヘッドホンへの投資は決して無駄にならないでしょう。
追記
(宅録では、ヘッドホンから出た音がマイクに入り込む「音漏れ」を防ぐことが非常に重要です。音漏れが発生すると、録音した音声に不要な音が混ざってしまい、録り直しが必要になることもあります。
そのため、声優の宅録では基本的に**密閉型(クローズドタイプ)**のモニターヘッドホンを選ぶのがおすすめです。
密閉型は耳全体をしっかり覆う構造になっており、外部への音漏れが少なく、周囲の雑音も遮断しやすいため、自分の声を正確にモニタリングできます。
一方で、**開放型(オープンタイプ)**は自然で広がりのある音が魅力ですが、音が外へ漏れやすいため、宅録ではマイクがヘッドホンの音を拾ってしまう可能性があります。
録音用途であれば、まずは密閉型を選んでおけば間違いありません。)