声優養成所の費用はいくら?入所金・授業料・年間総額と選び方を解説

「声優養成所へ通うには、いくら必要なの?」

「授業料以外に入所金や教材費もかかる?」

声優を目指して養成所を調べると、年間20万円台のコースから100万円を超える養成所まで見つかります。金額の差が大きいため、何を基準に選べばよいのか迷う人も多いでしょう。

結論からいうと、声優養成所の初年度費用は、週1回程度のクラスなら30万~50万円前後、本科やレッスン回数の多いコースでは50万~110万円前後が一つの目安です。

ただし、声優養成所全体に共通する公的な平均料金があるわけではありません。入所金、授業料、受講期間、週のレッスン回数、教材費などによって総額は変わります。

また、年間授業料が安く見えても、入所金や受験料を加えると予算を超えることがあります。反対に、表示金額の中へ教材費や施設費が含まれている養成所もあります。

この記事では、主要な声優養成所が公式サイトで公開している料金を確認しながら、次の内容を解説します。

  • 声優養成所の入所金・授業料・年間総額
  • 主要な声優養成所の公式料金例
  • 授業料以外にかかる費用
  • 安い養成所と高い養成所の違い
  • 分割払い・教育ローンを利用するときの注意点
  • 費用だけで失敗しない養成所の選び方

※掲載している料金は2026年8月5日時点で、各養成所の公式サイトに掲載されていた内容をもとにしています。募集年度、校舎、クラス、入所時期によって変更されるため、申し込み前に必ず最新の募集要項を確認してください。

声優養成所の費用はいくらかかる?

声優養成所の費用は、大きく分けると次のような項目で構成されています。

費用項目 内容 確認するポイント
受験料・審査料 入所オーディションや面接を受けるための費用 不合格でも返金されないのが一般的
入所金 合格後、最初に支払う登録・入所費用 2年目以降は不要な場合が多い
授業料・受講料 演技、発声、ナレーション、アフレコなどのレッスン費用 年間・半年・月額のどの表記か確認する
教材費・施設費 台本、教本、稽古場、録音設備などに関する費用 授業料に含まれる場合と別途必要な場合がある
合宿・特別授業費 夏期合宿、舞台発表、追加レッスンなどの費用 参加が必須か任意かを確認する
交通費・生活費 校舎までの移動、上京、宿泊、一人暮らしなどの費用 学費と別に毎月必要になる

養成所を比較するときは、授業料だけを見るのではなく、次の計算で初年度総額を確認しましょう。

初年度総額=受験料+入所金+授業料+教材費・保険料などの必須費用

さらに、実際に通うためには交通費、宣材写真、ボイスサンプル収録、服装や稽古用品なども必要になることがあります。

声優養成所の初年度費用の目安

2026年8月時点で公式料金を確認できる主要養成所を並べると、初年度費用には次のような幅があります。

養成所・クラス 入所金 授業料など 初年度合計 受講期間・回数

日本ナレーション演技研究所・週1回クラス
99,000円 年間242,000円 341,000円 4月入所・週1回2時間

81ACTOR’S STUDIO・週1クラス
120,000円 授業料220,000円+保険料15,000円 355,000円 1年間・週1回

スクールデュオ・基礎クラス
88,000円 前期・後期各154,000円 396,000円 1年間・週1回

マウスプロモーション附属俳優養成所・1年生
165,000円 年間303,600円 474,600円 原則2年制

スクールデュオ・レギュラークラス
88,000円 前期・後期各198,000円 484,000円 1年間・週1回

81ACTOR’S STUDIO・本科
200,000円 授業料434,000円+保険料15,000円 649,000円 1年間・週3回

青二塾東京校
220,000円 前期・後期各440,000円 1,100,000円 1年間・2027年度募集料金

※上記には、入所オーディションの受験料、交通費、任意の合宿費、個人で用意する教材などを含めていない場合があります。

※青二塾東京校については、2026年8月5日時点で公開されている2027年度募集要項の金額を掲載しています。

表を見ると、同じ「声優養成所」でも、初年度総額には70万円以上の差があります。

ただし、年間34万円の週1回クラスと、年間110万円の集中的なカリキュラムを、金額だけで単純に比較することはできません。週のレッスン回数、1回の時間、授業内容、在籍期間、所属審査までの仕組みが異なるからです。


半年間の短期養成所はいくらかかる?

声優養成所の中には、1年間や2年間ではなく、半年程度で一区切りとなる短期集中型のクラスもあります。

たとえば、俳協ボイスのスタンダードクラスは、6か月・全20回のカリキュラムです。公式サイトでは、入所金を含む学費が242,000円、組合員出資金が1口1,000円と案内されています。


俳協ボイスの公式料金を確認する

半年で24万円と聞くと安く感じますが、1年間に換算して48万円と考えることもできます。また、短期クラスは限られた回数で審査まで進むため、初心者が基礎からゆっくり学ぶ環境とは限りません。

費用を比較するときは、総額だけでなく、次の項目も確認しましょう。

  • 何か月間通うコースなのか
  • レッスンは週に何回あるのか
  • 1回のレッスンは何時間か
  • 総レッスン回数はいくつか
  • 基礎から学ぶクラスか、経験者向けクラスか
  • 修了後に進級審査や所属審査があるか

声優養成所の費用が違う理由

声優養成所によって料金が違う主な理由は、ブランド名や知名度だけではありません。

レッスン回数が違う

週1回のクラスと週3回の本科では、年間の総レッスン時間が大きく異なります。

81ACTOR’S STUDIOの場合、週1クラスの納入金合計は355,000円、本科は649,000円です。本科では演技や声楽を含む週3回のレッスンが組まれているため、週1クラスより総額が高くなっています。

授業内容と設備が違う

発声や演技の基礎を中心とするクラスもあれば、アニメ、外画、ナレーション、歌唱、舞台、ダンスなどを幅広く扱う養成所もあります。

録音スタジオを使った実習、現役声優や音響監督による特別授業などが含まれている場合、授業料が高くなることがあります。

初心者向けか経験者向けかが違う

未経験者向けの基礎クラスと、一定の演技経験を求める上位クラスでは、入所条件やカリキュラムが異なります。

安い上位クラスを見つけても、初心者がそのまま受験できるとは限りません。別の養成所や専門学校で学んだ経験が応募条件になる場合もあります。

在籍期間が違う

1年間で所属審査まで進む養成所もあれば、2年間の課程や、複数段階のクラスを進級していく養成所もあります。

初年度の費用が安くても、所属審査まで2年、3年と通う場合は、最終的な総額が高くなる可能性があります。

マウスプロモーション附属俳優養成所は原則2年制で、公式料金では1年生総額が474,600円、進級した場合の2年生総額が303,600円です。2年間では合計778,200円となり、別途入所試験受験料なども必要です。

初年度の安さだけで選ぶと失敗しやすい

養成所を選ぶときに重要なのは、「今年いくら払うか」だけではありません。

次のような条件まで確認しないまま入所すると、想定より多くのお金や時間がかかることがあります。

  • 所属審査まで何年かかるのか
  • 進級するたびに審査と授業料が必要か
  • 希望するプロダクションへの所属につながるか
  • 年齢制限に余裕があるか
  • 仕事や学校と両立できる曜日・時間か
  • 欠席した場合に振替レッスンがあるか
  • 途中退所した場合に返金されるか

特に注意したいのが、所属までの年数です。

初年度35万円の養成所へ3年間通えば、単純計算でも100万円を超える可能性があります。一方、年間費用が高くても、1年間で所属審査まで進める養成所もあります。

「年間授業料が安い養成所」と「声優になるまでの総費用が安い養成所」は、必ずしも同じではありません。

未経験から声優を目指す方法については、次の記事も参考にしてください。

声優養成所の費用を調べるときの基本

公式サイトで「年間授業料30万円」と書かれていても、それだけで年間総額が30万円とは限りません。

最低でも、次の項目を一つずつ確認してください。

  1. 入所オーディションの受験料
  2. 入所金
  3. 年間授業料または月額受講料
  4. 教材費・施設費・保険料
  5. 合宿や発表会の費用
  6. 分割払いの手数料
  7. 所属審査までに必要な在籍年数

募集要項に書かれていない項目があれば、入所前に問い合わせましょう。

問い合わせるときは、次のように具体的に聞くと、必要な総額を把握しやすくなります。

入所を検討しています。入所オーディションの受験料、入所金、1年間の授業料、教材費、施設費、合宿費などを含め、初年度に必ず必要となる費用の総額を教えてください。

また、所属審査までに必要な標準在籍期間と、2年目以降の授業料についても教えていただけますでしょうか。

口頭で説明を受けた場合も、料金表やメールなど、後から確認できる形で残しておくと安心です。

声優養成所は授業料以外にもお金がかかる

声優養成所へ通うために必要なのは、公式サイトに掲載されている入所金や授業料だけではありません。

実際には、校舎までの交通費、レッスンで使う教材、オーディション用の写真なども必要になります。

特に見落としやすいのが交通費です。週1回のレッスンでも、1年間通えば大きな金額になります。

声優養成所へ入所する前に、次の費用も含めて予算を考えておきましょう。

費用 主な内容 確認するポイント
交通費 自宅から校舎までの電車・バス代 週のレッスン回数と年間通学日数で計算する
宣材写真代 プロフィール写真、バストアップ、全身写真 養成所内で撮影するのか、自分で用意するのか確認する
ボイスサンプル代 収録スタジオ、編集、原稿作成など 入所直後に必要とは限らないため、作成時期を確認する
教材・稽古用品 台本、筆記用具、録音機器、運動着、室内履きなど 指定教材や指定用品があるか確認する
オーディション費用 受験料、写真、郵送、会場までの移動費 養成所外のオーディションへ応募する場合に増える
発表会・舞台費 会場費、衣装、チケット負担、パンフレットなど 参加が必須か、別料金かを入所前に確認する
合宿・特別講習費 宿泊、交通、追加レッスンなど 授業料に含まれるか、希望者のみかを確認する
上京・生活費 引っ越し、家賃、光熱費、食費など 学費とは別の生活予算として考える

交通費は年間で計算する

交通費は1回ごとの金額が小さいため、入所前には軽く考えてしまいがちです。

しかし、往復交通費が1,000円で週1回、年間40回通う場合、それだけで年間40,000円かかります。

週3回のクラスなら、同じ往復1,000円でも年間120,000円前後になる可能性があります。

年間交通費=1回の往復交通費×週の回数×年間の受講週数

たとえば、次のように計算します。

  • 往復600円×週1回×40週=年間24,000円
  • 往復1,000円×週1回×40週=年間40,000円
  • 往復1,500円×週2回×40週=年間120,000円
  • 往復2,000円×週3回×40週=年間240,000円

学費が安い養成所でも、自宅から遠ければ、交通費を含めた総額では高くなることがあります。

反対に、授業料が少し高くても、近隣にある養成所なら年間総額を抑えられる可能性があります。

養成所を比較するときは、Googleマップや乗換案内を使い、次の点を確認しましょう。

  • 自宅から校舎までの往復運賃
  • 最終レッスン終了後に帰宅できるか
  • 乗り換え回数は多すぎないか
  • 仕事や学校から直接通えるか
  • 遅延した場合に別の経路があるか

宣材写真にはいくらかかる?

声優養成所の入所オーディションや所属審査では、顔写真や全身写真の提出を求められることがあります。

写真の準備方法は、大きく分けて次の3つです。

スマートフォンや家族のカメラで撮影する

募集要項でスタジオ撮影が指定されていなければ、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した写真を提出できる場合があります。

費用を抑えられる一方で、暗い室内、散らかった背景、強い加工、顔が分かりにくい角度などは避ける必要があります。

証明写真機を利用する

証明写真機は、一般的な応募写真を比較的安く用意しやすい方法です。

ただし、全身写真には対応していないことが多く、声優オーディションで求められる自然なプロフィール写真には向かない場合があります。

写真スタジオへ依頼する

写真スタジオでは、照明、姿勢、表情などを調整しながら撮影してもらえます。

撮影プランによっては、ヘアメイク、全身撮影、レタッチ、データ納品などが追加料金になることがあります。

高額な写真ほど合格しやすいわけではありません。募集要項に合った、本人の顔や雰囲気が分かりやすい写真であることが重要です。

声優オーディション用の写真については、次の記事でも詳しく解説しています。

声優オーディションの写真はどう撮る?服装・髪型・表情のポイント

ボイスサンプルの収録費用

声優養成所へ入った直後から、必ずプロ仕様のボイスサンプルを作らなければならないわけではありません。

入所オーディションでは、その場で台本を読む形式や、スマートフォンで録音した音声を受け付ける形式もあります。

一方、所属審査や事務所オーディションでは、複数のセリフやナレーションを収録したボイスサンプルが必要になることがあります。

ボイスサンプルにかかる費用は、次の条件によって変わります。

  • 自宅で録音するか、スタジオを借りるか
  • 収録時間は何時間か
  • 音響スタッフが同席するか
  • ノイズ除去や音量調整を依頼するか
  • セリフやナレーション原稿を作ってもらうか
  • BGMや効果音を付けるか

養成所に在籍している場合は、校内設備を利用できたり、講師から原稿や収録方法の指導を受けられたりすることもあります。

入所前に高額な機材や収録サービスを購入するのではなく、まずは養成所の方針を確認しましょう。

ボイスサンプルの作り方については、次の記事も参考にしてください。

声優オーディションのボイスサンプルを録音する方法と注意点

声優養成所の実質的な年間総額をシミュレーション

ここからは、入所金と授業料以外の費用を含めた予算例を紹介します。

以下は特定の養成所の料金を示すものではなく、声優養成所へ通うときの家計を考えるためのシミュレーションです。

週1回・自宅から通う場合

入所金・年間授業料 約350,000円
年間交通費 約40,000円
宣材写真・応募準備 約15,000円
教材・稽古用品 約10,000円
予備費 約20,000円
年間総額 約435,000円

年間43万5,000円を12か月で考えると、月平均では約36,000円です。

ただし、入所金と前期授業料を最初にまとめて支払う場合は、入所時に必要となる金額が大きくなります。

週1回・遠方から通う場合

入所金・年間授業料 約400,000円
年間交通費 約100,000円
宣材写真・ボイスサンプル 約35,000円
教材・稽古用品 約15,000円
予備費 約30,000円
年間総額 約580,000円

授業料が40万円でも、交通費や審査準備費を含めると、年間60万円近く必要になる可能性があります。

週3回程度の集中クラスへ通う場合

入所金・年間授業料 約650,000円
年間交通費 約150,000円
宣材写真・ボイスサンプル 約35,000円
教材・稽古用品 約20,000円
予備費 約40,000円
年間総額 約895,000円

集中クラスは、週1回クラスより多くのレッスンを受けられる一方で、交通費も増えます。

さらに、レッスン日が多いことで、アルバイトや仕事に使える時間が減る可能性も考える必要があります。

上京して養成所へ通う場合の費用

地方から東京や大阪などへ引っ越して養成所へ通う場合、学費よりも生活費の負担が大きくなることがあります。

上京時には、主に次の費用が必要です。

  • 賃貸契約の初期費用
  • 引っ越し代
  • 家具・家電代
  • 毎月の家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 食費
  • 通学交通費
  • 国民健康保険や年金

「養成所の学費が50万円だから、50万円あれば入所できる」と考えるのは危険です。

一人暮らしを始める場合は、学費とは別に、少なくとも数か月分の生活費を用意しておく必要があります。

また、入所オーディションに合格する前から引っ越しを決めると、希望していた養成所へ入れなかった場合に生活計画が崩れる可能性があります。

次の順番で進めると、金銭的なリスクを抑えやすくなります。

  1. 通いたい養成所と入所条件を調べる
  2. 説明会や体験レッスンへ参加する
  3. 入所オーディションを受ける
  4. 合格後に曜日と校舎を確認する
  5. 必要に応じて住居を探す

週1回クラスであれば、新幹線や高速バスで通う選択肢もあります。ただし、往復交通費と移動時間を年間で計算し、引っ越した場合と比較しましょう。

仕事や学校と両立する場合の費用

仕事や学校を続けながら養成所へ通う人は、学費だけでなく、収入や学業への影響も考える必要があります。

夜間や土日のクラスであっても、次のような時間が必要です。

  • 校舎までの移動時間
  • レッスン時間
  • 台本の読み込み
  • 発声練習
  • セリフやナレーションの練習
  • オーディションの準備

週3回の養成所へ通うためにアルバイトの勤務日数を減らせば、授業料を支払う一方で収入が減ることになります。

そのため、養成所を選ぶときは、次の2つを分けて考えましょう。

  • 実際に支払う費用:入所金、授業料、交通費、教材費など
  • 通学によって減る収入:減らした勤務時間、休業、交通時間など

高額な集中クラスに入っても、生活費を払えず途中で退所してしまえば、学びを継続できません。

無理なく修了まで通えることも、養成所選びの重要な条件です。

入所前に用意したい予備費

計算した年間総額と同じ金額だけを用意して入所すると、予定外の出費が発生したときに対応できません。

可能であれば、入所金・授業料・交通費などを計算したうえで、別に予備費を確保しておきましょう。

予備費が必要になる例として、次のようなものがあります。

  • 交通費の値上げ
  • 追加レッスンへの参加
  • 所属審査用の写真撮影
  • ボイスサンプルの収録
  • 外部オーディションへの応募
  • 発表会の衣装や小道具
  • 録音機器やイヤホンの故障
  • 体調不良による医療費

年間費用の1割程度を予備費として考える方法もありますが、必要額は生活状況によって異なります。

少なくとも、授業料を支払った直後に生活費がなくなるような入所計画は避けましょう。

入所前に不要な出費を増やさない

声優を目指し始めると、マイク、オーディオインターフェース、防音設備、写真撮影、個人レッスンなど、さまざまなサービスが気になるかもしれません。

しかし、養成所へ入る前からすべてをそろえる必要はありません。

特に、次の出費は慎重に判断しましょう。

  • 用途が決まっていない高額なマイク
  • 入所要項で求められていない高額な宣材写真
  • 養成所の授業と重複する個人レッスン
  • 合格や所属を保証すると宣伝する高額講座
  • 利用目的が明確でない防音工事
  • 入所前の高額なボイスサンプル制作

まずは応募先の募集要項を確認し、必要なものだけを準備してください。

養成所へ入った後に講師へ相談してから機材やサービスを選んだ方が、無駄な出費を抑えやすくなります。

年間総額は「必須費用」と「任意費用」に分ける

予算表を作るときは、すべての費用を一つにまとめるのではなく、必須費用と任意費用に分けると判断しやすくなります。

必須費用

  • 受験料
  • 入所金
  • 授業料
  • 必須の教材費・保険料
  • 校舎までの交通費

将来必要になる可能性がある費用

  • 宣材写真
  • ボイスサンプル
  • 外部オーディション費用
  • 発表会や舞台の費用
  • 合宿・特別講習

任意費用

  • 個人レッスン
  • 自主練習用のスタジオ代
  • 高額な録音機材
  • 追加の写真撮影
  • 有料のオーディション情報サービス

必須費用を払えるかどうかを最初に確認し、その後で将来必要になる費用と任意費用を検討しましょう。

次の項では、声優養成所と専門学校の費用の違い、安い養成所を選ぶ際の注意点、分割払い・教育ローン、費用だけで失敗しない選び方を詳しく解説します。

声優養成所と専門学校の費用はどう違う?

声優を学べる場所を探すと、「声優養成所」と「声優専門学校」の両方が見つかります。

どちらも発声、演技、アフレコ、ナレーションなどを学べますが、制度、通学期間、授業回数、利用できる支援制度には違いがあります。

費用を比較する前に、まずは基本的な違いを確認しておきましょう。

比較項目 声優養成所 声優専門学校
位置づけ 芸能事務所や民間企業などが運営する育成機関が中心 認可を受けた専修学校の専門課程である場合が多い
通学期間 半年から数年までさまざま 2年制を中心に、1年制・3年制などもある
授業回数 週1回から週数回 平日の日中を中心に週5日前後通う学校もある
費用 週1回型なら年間30万~50万円前後の例がある 年間100万円を超える場合もあり、複数年分の学費が必要
仕事・学校との両立 夜間・土日クラスなら両立しやすい 全日制ではアルバイトや仕事との両立が難しい場合がある
入学・入所方法 実技、面接、書類審査などの入所オーディション 書類、面接、実技、推薦、総合型選抜など
修了後 進級審査、所属審査、預かり所属などへ進む場合がある 事務所オーディション、一般公募、養成所への進学など
奨学金 利用できない養成所も多い 対象校・対象学科であればJASSOなどを利用できる可能性がある
学歴・称号 原則として学歴にはならない 一定の要件を満たす課程では「専門士」などが付与される場合がある

※「声優スクール」「声優アカデミー」などの名称だけでは、学校教育法上の専門学校かどうかは判断できません。公式サイトの学校概要や募集要項で確認してください。

声優養成所のメリット

声優養成所の大きな特徴は、専門学校より通学日数と費用を抑えやすいことです。

仕事や大学を続けながら通いやすい

週1回や土日開講のクラスであれば、会社員、大学生、アルバイトを続けながら声優を目指せます。

生活費を自分で確保しながら通えるため、学費のために大きな借り入れをせずに済む可能性があります。

希望する事務所への所属経路が分かりやすい

芸能事務所や声優プロダクションが運営する養成所では、成績や審査結果によって、運営元の事務所へ所属できる可能性があります。

特定の事務所へ入りたい人にとっては、専門学校から複数の事務所を受けるより、進路が明確に感じられるでしょう。

ただし、養成所へ入れば自動的に所属できるわけではありません。進級審査や所属審査で選ばれず、修了となる場合もあります。

必要な分野へ集中しやすい

養成所によっては、発声、演技、アフレコ、ナレーションなど、声優の仕事に近い内容へ絞って学べます。

大学や仕事ですでに一般教養を身につけている人や、演劇経験がある人には、効率的な選択肢になり得ます。

声優養成所のデメリット

週1回だけでは練習量が不足する可能性がある

週1回・2時間のクラスの場合、年間40回通っても、養成所内で受けられるレッスンは合計80時間程度です。

レッスンを受けるだけで声優に必要な技術が身につくとは限りません。台本の読み込み、発声、体力づくり、演技練習などを自宅でも続ける必要があります。

修了しても資格や学歴になるとは限らない

民間の養成所を修了しても、専門士などの称号が得られるとは限りません。

声優の仕事では学歴より演技力や適性が重視されますが、途中で進路を変更した場合に、修了歴を一般企業への就職で活用しにくいことがあります。

所属できなかった場合の次の進路を考える必要がある

運営事務所の所属審査に落ちた場合、別の養成所へ入り直したり、一般公募のオーディションを受けたりする人もいます。

最初の養成所の学費が安くても、複数の養成所を渡り歩けば、総費用は大きくなります。

声優専門学校のメリット

授業時間を確保しやすい

全日制の専門学校では、発声、演技、アフレコ、ナレーション、歌唱、ダンス、舞台、業界知識などを幅広く学ぶことがあります。

学校へ通うことを生活の中心にできるため、自分だけでは練習を継続しにくい人にも向いています。

複数の事務所オーディションを受けられる場合がある

専門学校によっては、卒業前に複数の声優事務所や芸能事務所を招いたオーディションを開催しています。

特定の事務所だけに絞らず、自分に合う事務所を探したい人にはメリットがあります。

条件を満たせば奨学金などを利用できる

専門課程を置く専修学校のうち、対象として登録された学校・学科では、日本学生支援機構の給付奨学金や貸与奨学金を利用できる可能性があります。

ただし、声優を学べる学校ならすべて対象になるわけではありません。学校名だけでなく、入学する学科が対象に含まれているか確認してください。

専門課程を置く専修学校の奨学金対象学科を確認する|日本学生支援機構

声優専門学校のデメリット

複数年分の学費が必要になる

2年制の専門学校で、年間学費が120万円の場合、学費だけで単純に240万円になります。

さらに、入学金、教材費、施設費、交通費、生活費などが必要です。

初年度の金額だけで判断せず、卒業までの総額を確認しましょう。

卒業後に養成所へ通う場合もある

専門学校を卒業すれば、必ず声優事務所へ所属できるわけではありません。

卒業後にプロダクション附属養成所へ入る場合は、専門学校の学費に加えて、養成所の入所金と授業料も必要になります。

声優になるまでの総費用=専門学校の卒業までの費用+卒業後の養成所費用+オーディション準備費+生活費

専門学校を選ぶときは、卒業生の進路について、「業界就職率」だけでなく、声優事務所への所属人数や所属形態まで確認することが大切です。

安い声優養成所を選んでも大丈夫?

授業料が安いこと自体は、悪いことではありません。

週1回型、校舎設備を限定したクラス、運営事務所が人材発掘を目的としている養成所などは、比較的低い料金で運営できる場合があります。

ただし、「安いから」という理由だけで選ぶと、希望していた授業や所属経路が用意されていない可能性があります。

年間総額ではなく所属審査までの総額を見る

次の2つの養成所があったとします。

  • A養成所:年間35万円・標準在籍3年間
  • B養成所:年間60万円・1年間で所属審査

A養成所は1年分だけ見ると安いものの、3年間通えば単純計算で105万円です。

B養成所は初年度が高くても、1年で所属審査まで進むなら、最終的な支払額がA養成所より少なくなる可能性があります。

比較するときは、次の式を使いましょう。

所属審査までの総額=初年度費用+2年目以降の授業料+交通費+追加審査・教材などの必須費用

1回あたりのレッスン費用を計算する

年間授業料が安くても、レッスン回数が少なければ、1回あたりの金額は高くなることがあります。

1回あたりのレッスン費用=年間の必須納入金÷年間レッスン回数

さらに、1クラスの人数も確認しましょう。

同じ2時間のレッスンでも、10人のクラスと30人のクラスでは、一人が実演して指導を受けられる時間が異なる可能性があります。

安い養成所を比較するときの確認項目

  • 年間のレッスン回数
  • 1回のレッスン時間
  • 1クラスの定員
  • 講師の氏名・経歴
  • 基礎科から所属審査までの標準年数
  • 進級できる人数や審査方法
  • 所属審査を受けられる条件
  • 追加レッスンや合宿の費用
  • 欠席時の振替制度
  • 休学・退所・返金の規定

分割払いができる声優養成所もある

年間授業料を一括で用意できない場合、養成所独自の分割払いを利用できることがあります。

分割方法には、主に次のような種類があります。

  • 前期・後期の2回払い
  • 3回・4回などの分納
  • 毎月支払う月謝制
  • クレジットカードの分割払い
  • 信販会社の学費ローン
  • 銀行や公的機関の教育ローン

分割払いは、入所時の負担を減らせる一方で、分割手数料や利息が加算される場合があります。

「月々2万円」と書かれていても、支払回数が長ければ、総支払額が大きくなる可能性があります。

申し込む前に、必ず次の金額を確認してください。

  • 現金一括払いの総額
  • 分割払いの総額
  • 分割手数料または金利
  • 支払い回数
  • 初回支払額
  • 途中退所した場合の残債
  • 支払いが遅れた場合の扱い

国の教育ローンは声優養成所にも使える?

日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、高校、大学、専門学校などの入学・在学資金に利用できる制度です。

授業料だけでなく、入学金、受験費用、住居費、教科書代、通学費などに利用できる場合があります。

声優養成所についても、修業期間などの条件を満たす教育施設であれば対象となる可能性がありますが、すべての民間養成所が対象になるとは限りません。

利用を検討している場合は、養成所へ「国の教育ローンの対象校か」と問い合わせたうえで、日本政策金融公庫にも確認してください。

教育一般貸付(国の教育ローン)|日本政策金融公庫

奨学金と教育ローンの違い

奨学金と教育ローンは、どちらも教育費を準備する制度ですが、借りる人や返済開始時期などが異なります。

比較項目 貸与型奨学金 教育ローン
主な申込者 学生本人 保護者など
受取方法 毎月一定額が振り込まれる制度が中心 まとまった資金を借りる制度が中心
返済開始 卒業・貸与終了後から始まる制度が中心 借入後から返済が始まる場合がある
対象 対象校・対象学科に在籍する学生 対象となる教育施設へ入学・在学する人の家庭

借りたお金は、声優事務所へ所属できなかった場合でも返済しなければなりません。

「声優になれば返せる」「所属後すぐ仕事が入る」と考えて、無理な借り入れをするのは危険です。

学費のために消費者金融を利用するのは慎重に

入所説明会やオーディションの会場で、「今契約しないと枠がなくなる」「借りても声優の仕事ですぐ返せる」などと言われても、その場で契約する必要はありません。

国民生活センターには、芸能オーディションをきっかけに、高額なレッスンやマネジメント契約を勧められたという相談が寄せられています。

オーディションを受けたら高額なマネジメント契約に|国民生活センター

次のような勧誘を受けた場合は、特に慎重に判断してください。

  • 今日だけ入所金を割引すると急かされる
  • 合格や仕事の獲得を保証される
  • 契約書を読む時間を与えられない
  • 家族へ相談しないよう言われる
  • 消費者金融やカードローンを勧められる
  • 仕事内容や所属条件が口頭でしか説明されない
  • 後から追加レッスン費が必要になる

信頼できる養成所であっても、声優事務所への所属や仕事の獲得は保証できません。

借り入れが必要な場合は、保護者や家族にも相談し、卒業・退所後の返済額まで計算したうえで判断しましょう。

入所後に辞めた場合、授業料は返金される?

途中退所した場合の返金条件は、養成所によって異なります。

次のような規定が設けられていることがあります。

  • 納入した入所金は理由を問わず返金しない
  • 授業開始前であれば授業料の一部を返金する
  • 授業開始後は未受講分も返金しない
  • 退所月以降の月謝は請求しない
  • 分割払いの残額を支払う必要がある
  • 休学制度を利用できる

「まだレッスンを受けていないから、必ず全額返金される」とは限りません。

また、声優養成所の契約すべてに、クーリング・オフが自動的に適用されるわけでもありません。契約方法や勧誘の状況によって扱いが異なります。

入所前に、次の書類を確認してください。

  • 入所規約
  • 受講契約書
  • 学費・納入金一覧
  • 退所・休学規定
  • 返金規定
  • 分割払い契約の条件

説明と契約書の内容が違う場合や、強引な勧誘を受けた場合は、一人で判断せず、消費者ホットライン「188」へ相談する方法があります。

消費者ホットライン188|消費者庁

費用だけで失敗しない声優養成所の選び方

養成所の価値は、授業料の高い・安いだけでは判断できません。

最終的には、次の条件を総合的に比較しましょう。

目指す事務所とつながっているか

附属養成所の場合は、運営元の事務所がどのような声優を所属させ、どの分野の仕事を扱っているか確認します。

アニメ中心、外画中心、ナレーション中心など、事務所によって得意分野が異なります。

初心者向けの基礎授業があるか

未経験者は、アフレコ実習の多さだけでなく、発声、滑舌、身体表現、台本読解、演技基礎を学べるか確認してください。

マイク前で声を出す練習だけでは、役を演じる力が十分に育たない可能性があります。

所属審査の仕組みが公開されているか

「事務所直結」と書かれていても、全員が所属審査を受けられるとは限りません。

次の点を確認しましょう。

  • 所属審査は毎年行われるか
  • 審査を受けるための条件はあるか
  • 進級できなかった場合はどうなるか
  • 所属、準所属、預かりなどの違い
  • 過去に所属した人数や実績の掲載方法

体験レッスンで教え方を確認する

公式サイトやパンフレットだけでは、講師との相性やクラスの雰囲気は分かりません。

説明会や体験レッスンでは、次の点を見てください。

  • 講師が受講生一人ひとりへ指導しているか
  • 初心者にも改善点を具体的に説明しているか
  • 受講生の人数が多すぎないか
  • 設備が実際の授業で使われているか
  • 質問に対して料金や審査条件を明確に答えるか
  • 当日の契約を強く迫られないか

修了まで無理なく通えるか

どれほど評判のよい養成所でも、仕事、学校、体調、交通費などの問題で通えなくなれば、十分な成果を得られません。

「入所できるか」ではなく、「審査や修了まで継続できるか」を基準に選ぶことが重要です。

養成所を比較するためのチェックリスト

候補となる養成所ごとに、次の項目を表へ書き出して比較してみましょう。

  • 受験料
  • 入所金
  • 年間授業料
  • 教材費・施設費・保険料
  • 年間交通費
  • 標準在籍期間
  • 所属審査までの総額
  • 週のレッスン回数
  • 年間レッスン回数
  • 1クラスの人数
  • 仕事や学校との両立
  • 欠席時の振替
  • 休学・退所・返金条件
  • 所属審査の条件
  • 希望する仕事との相性

比較表を作ることで、「有名だから」「料金が安いから」といった印象だけで選びにくくなります。

次の項では、年代・生活状況別の選び方、よくある質問、記事のまとめ、関連記事、参照した公式情報を掲載します。

年代・生活状況別の声優養成所の選び方

声優養成所は、知名度や授業料だけでなく、年齢、仕事、学校、居住地、生活費などを踏まえて選ぶ必要があります。

同じ養成所でも、高校生と社会人では通いやすさや金銭的な負担が異なるからです。

ここでは、年代・生活状況別に確認したいポイントを解説します。

中学生・高校生の場合

中学生や高校生が声優養成所へ通う場合は、学費だけでなく、学校生活との両立や保護者の同意を確認しましょう。

養成所によっては、中学生向けのジュニアクラスや、高校生の入所金割引を用意していることがあります。

一方、一般クラスでは「中学校卒業以上」「高校卒業以上」などの応募条件が設けられている場合があります。

中学生・高校生が確認したい項目は次のとおりです。

  • 応募できる年齢か
  • 未成年者の保護者同意が必要か
  • 授業が平日夜間か土日か
  • 学校行事や受験勉強と両立できるか
  • 帰宅時間が遅くなりすぎないか
  • 保護者が学費を負担できるか
  • 高校卒業後の進路をどうするか

声優の仕事を目指すことと、高校を卒業することは両立できます。

将来進路を変更する可能性も考え、学校生活をすべて犠牲にして養成所へ通うのではなく、長期的な選択肢を残しておきましょう。

大学生の場合

大学生は、授業のない平日夜間や土日に養成所へ通いやすい年代です。

ただし、大学の学費と声優養成所の授業料を同時に支払うことになるため、家計への負担は大きくなります。

さらに、就職活動、卒業論文、教育実習などと養成所の審査時期が重なる可能性もあります。

大学生は、次の点を確認しましょう。

  • 大学の時間割と養成所の曜日が重ならないか
  • 試験期間中も欠席せず通えるか
  • 大学と養成所の両方へ支払う年間総額
  • アルバイトを減らしても生活できるか
  • 就職活動と所属審査をどう両立するか
  • 大学卒業後も養成所へ通う可能性があるか

大学在学中に養成所へ通えば、卒業後まで挑戦を先延ばしにせずに済むメリットがあります。

一方、大学を中退して養成所だけに集中しても、事務所への所属や仕事が保証されるわけではありません。退学は学費だけでなく、その後の就職や生活にも影響するため、慎重に判断してください。

会社員・社会人の場合

社会人には、平日夜間や土日の週1回クラスが通いやすいでしょう。

収入を維持しながら学費を払えるため、借金をせずに声優を目指しやすいのがメリットです。

ただし、残業、休日出勤、転勤などによって、決められたレッスンへ通えなくなる可能性があります。

入所前に確認したい項目は次のとおりです。

  • レッスン開始時間までに退勤できるか
  • 勤務先から校舎まで何分かかるか
  • 土日出勤が発生する仕事ではないか
  • 欠席した場合の振替制度があるか
  • 所属後に急なオーディションへ対応できるか
  • 仕事を辞めなくても進級できるか

会社員の場合、養成所へ通うことよりも、所属後にオーディションや収録へ参加できるかが問題になることがあります。

最初から仕事を辞めるのではなく、まずは週1回のクラスで継続できるか試し、進級や所属が現実的になった段階で働き方を見直す方法があります。

30代以上の場合

声優養成所には年齢上限を設けているところがあります。

30代以上で声優を目指す場合は、料金や知名度より先に、現在の年齢で応募できるか確認してください。

また、入所時は年齢制限内でも、進級や所属審査まで数年かかると、途中で上限年齢を超える可能性があります。

30代以上の人は、次の順番で確認すると効率的です。

  1. 応募時の年齢上限
  2. 入所時ではなく授業開始時の年齢条件か
  3. 所属審査までの標準年数
  4. 年齢に応じた仕事や声質を評価してもらえるか
  5. ナレーション、朗読、舞台なども学べるか
  6. 現在の仕事と生活を維持しながら通えるか

年齢制限のないスクールへ高額な費用を払っても、希望する事務所の所属審査に年齢制限があれば、目的を達成できない可能性があります。

「入所できるか」だけでなく、修了後にどの事務所や仕事へつながるのかを確認してください。

30代未経験からの始め方は、次の記事でも詳しく解説しています。

30代未経験から声優を目指すには?養成所・オーディションの始め方

地方在住の場合

東京の養成所へ通うために、すぐ上京しなければならないとは限りません。

地方校を設けている養成所や、週1回だけ通えるクラスもあります。

地方在住者は、次の3つを比較しましょう。

  • 地元や近隣都市の養成所へ通う
  • 新幹線や高速バスで都市部へ通う
  • 東京や大阪へ引っ越して通う

比較するときは、学費だけでなく、年間交通費、移動時間、家賃、引っ越し費用も含めます。

週1回の往復交通費が1万円なら、年間40回で40万円です。この場合は、長期的には引っ越した方が安くなる可能性もあります。

一方、入所審査や進級審査に合格できるか分からない段階で上京すると、退所後も家賃と生活費が残ります。

まずは説明会や受験のために現地へ行き、合格後にレッスン曜日と通学頻度を確認してから判断しましょう。

声優養成所を選ぶ手順

声優養成所は、最初から一校に絞る必要はありません。

複数の候補を比較し、次の順番で選ぶと失敗を減らしやすくなります。

1.目指す声優の仕事を決める

声優の仕事には、アニメ、ゲーム、外画吹き替え、ナレーション、朗読、舞台、ラジオなどがあります。

すべてを一つに絞る必要はありませんが、少なくともどの分野に興味があるかを考えましょう。

所属声優や出演実績を確認すると、その事務所が得意とする分野を把握しやすくなります。

2.年齢・応募条件で候補を絞る

希望する養成所が見つかっても、年齢、学歴、経験などの応募条件を満たしていなければ受験できません。

募集要項で次の項目を確認します。

  • 応募可能な年齢
  • 中学校・高校などの卒業条件
  • 未経験者でも応募できるか
  • 特定の養成所や学校の修了経験が必要か
  • 授業をすべて受講できることが条件か
  • ほかの事務所に所属していても応募できるか

3.所属審査までの道筋を確認する

養成所へ入所することは、声優になるための途中段階です。

次の点を確認してください。

  • 基礎科から所属審査まで何段階あるか
  • 各クラスの標準在籍期間
  • 毎年進級できるとは限らないか
  • 所属審査を受けられる条件
  • 審査後の所属形態
  • 不合格だった場合の進路

4.卒業・審査までの総費用を計算する

初年度費用だけでなく、標準在籍期間を通した総額を計算します。

必要予算=卒業・所属審査までの学費+交通費+教材費+応募準備費+生活費+予備費

所属審査まで3年かかる場合は、3年間の授業料と交通費を計算してください。

5.説明会や体験レッスンに参加する

料金や授業内容を公式サイトで確認したら、可能な範囲で説明会や体験レッスンへ参加します。

説明会では、次の質問をしておくとよいでしょう。

  • 初年度に必ず必要な費用の総額はいくらか
  • 2年目以降はいくらかかるか
  • 追加で徴収される可能性がある費用は何か
  • 所属審査までの標準在籍期間は何年か
  • 欠席時に振替はできるか
  • 途中退所した場合に返金されるか
  • 仕事や大学と両立している受講生はいるか

6.契約書を持ち帰って確認する

オーディションに合格すると、うれしさや焦りから、その場ですぐ契約したくなるかもしれません。

しかし、入所合格は声優事務所への所属決定ではありません。

高額な契約ほど、その場で決めず、次の内容を確認してください。

  • 契約期間
  • 支払総額
  • 追加料金
  • 分割払いの手数料
  • 休学・退所条件
  • 返金条件
  • 違約金
  • 所属や仕事が保証されているかのような表現がないか

不明な点は契約前に質問し、回答をメールなどで残しましょう。

声優養成所の費用に関するよくある質問

一番安い声優養成所はいくらですか?

主要なプロダクション附属養成所では、週1回型で初年度30万~50万円前後の例があります。

ただし、半年制、月謝制、地方校、ジュニアクラスなどを含めると、これより安いコースが見つかる可能性もあります。

一番安い養成所を探すだけでなく、年間レッスン回数、所属審査までの年数、交通費を含めた総額を比較してください。

声優養成所は月謝制ですか?

養成所によって異なります。

年間授業料の一括払い、前期・後期の2回払い、月謝制、信販会社を利用した分割払いなどがあります。

分割払いができても、手数料や利息によって総支払額が増える場合があります。

授業料を分割払いできますか?

分割払いに対応している養成所もありますが、すべての養成所で利用できるわけではありません。

また、養成所独自の分納と、クレジット・教育ローンによる分割では条件が異なります。

一括払いと分割払いの総額を比較し、途中退所した場合に残額の支払いが必要か確認してください。

奨学金は利用できますか?

日本学生支援機構の奨学金は、対象として登録された大学、短期大学、専修学校専門課程などが中心です。

民間の声優養成所は対象外となる場合が多いため、希望する養成所へ直接確認してください。

「声優スクール」という名称でも、専修学校の専門課程とは限りません。

国の教育ローンは使えますか?

一定の条件を満たす教育施設であれば、国の教育ローンを利用できる可能性があります。

ただし、すべての声優養成所やコースが対象になるわけではありません。申し込み前に、日本政策金融公庫と養成所の両方へ確認してください。

教育ローンを借りてでも通うべきですか?

借り入れは慎重に判断してください。

声優養成所へ通っても、事務所への所属や仕事、収入は保証されません。

借りたお金は、途中退所した場合や所属できなかった場合でも返済する必要があります。

まずは貯金、仕事との両立、費用の安い週1回クラス、近隣校など、借り入れを減らせる方法を検討しましょう。

養成所へ入れば声優になれますか?

養成所へ入所しただけで、声優事務所への所属やデビューが決まるわけではありません。

多くの場合、レッスンを受けた後に進級審査や所属審査があります。

養成所は、演技や発声を学び、審査を受ける機会を得る場所と考えた方がよいでしょう。

授業料は声優の仕事ですぐ回収できますか?

所属直後から、学費を短期間で回収できるだけの仕事が入るとは限りません。

声優の仕事量や報酬は、人、仕事内容、契約、活動期間などによって異なります。

「声優になれば必ず返せる」という前提で、高額なローンを組まないようにしましょう。

オーディション合格後に高額なレッスンを勧められたら?

その場で契約せず、活動内容、レッスン内容、費用総額、追加料金、解約条件を確認してください。

「今すぐ契約しないと合格が取り消される」「借金しても仕事ですぐ返せる」などと急かされた場合は、特に慎重な判断が必要です。

不安がある場合は、家族や周囲の人に相談し、消費者ホットライン「188」を利用する方法もあります。

途中で辞めたら授業料は返金されますか?

返金条件は養成所ごとに異なります。

入所金は返金されない、授業開始後は未受講分も返金されない、分割払いの残額が必要になるなどの規定が設けられている場合があります。

入所前に必ず契約書、返金規定、退所規定を確認してください。

未経験者は専門学校と養成所のどちらがよいですか?

未経験者だから必ず専門学校へ行かなければならないわけではありません。

仕事や大学を続けながら学ぶなら、基礎クラスのある週1回型養成所が候補になります。

平日の日中を使って、演技、発声、歌唱、ダンスなどを幅広く学びたい場合は、専門学校も選択肢です。

授業時間、総費用、卒業後の進路を比較して判断してください。

養成所を掛け持ちしてもよいですか?

養成所の規約によっては、ほかの養成所、芸能事務所、劇団などへの所属や掛け持ちを禁止・制限している場合があります。

掛け持ちすると授業料だけでなく、練習時間や交通費も増えます。

無断で掛け持ちせず、それぞれの契約・規約を確認してください。

自宅で練習すれば養成所へ行かなくてもよいですか?

発声、滑舌、台本読みなどは自宅でも練習できます。

しかし、自分の演技の問題点を客観的に判断することや、相手役との演技、講師からの指導、所属審査の機会を自宅練習だけで補うのは難しい場合があります。

費用を抑えたい場合は、まず自宅で基礎練習を続けながら、一般公募のオーディションや週1回クラスを検討する方法があります。

未経験でも応募できる声優オーディションとは?一般公募の探し方と注意点

声優養成所へ申し込む前の最終チェックリスト

入所オーディションへ申し込む前に、次の項目を確認してください。

費用に関する確認

  • 受験料はいくらか
  • 入所金はいくらか
  • 年間授業料はいくらか
  • 教材費・施設費・保険料は別途必要か
  • 合宿・発表会・特別授業は別料金か
  • 初年度に必ず必要な総額はいくらか
  • 2年目以降はいくらかかるか
  • 交通費を含む年間総額はいくらか
  • 分割払いの手数料はいくらか
  • 退所した場合に返金されるか

授業に関する確認

  • 年間レッスン回数
  • 週の受講回数
  • 1回の授業時間
  • 1クラスの人数
  • 発声・演技基礎を学べるか
  • アフレコ以外の授業もあるか
  • 講師の氏名や経歴が公開されているか
  • 欠席時の振替制度があるか
  • 仕事や学校と両立できる時間帯か

進路に関する確認

  • 所属審査まで何年かかるか
  • 全員が所属審査を受けられるか
  • 進級審査の回数と条件
  • 所属・準所属・預かりの違い
  • 修了後に受けられる事務所
  • 所属できなかった場合の進路
  • 希望する仕事を扱う事務所か

契約に関する確認

  • 契約期間
  • 休学・退所条件
  • 返金条件
  • 違約金の有無
  • 他校・他事務所との掛け持ち可否
  • 写真や音声の利用範囲
  • 追加契約を求められる可能性

声優養成所は費用だけでなく「通い切れるか」で選ぶ

声優養成所の初年度費用は、週1回型で30万~50万円前後、本科やレッスン回数の多いコースでは50万~110万円前後が一つの目安です。

ただし、必要になるのは入所金と授業料だけではありません。

  • 受験料
  • 教材費・施設費・保険料
  • 交通費
  • 宣材写真
  • ボイスサンプル
  • 発表会・合宿
  • オーディション費用
  • 上京する場合の生活費

これらを含めると、公式サイトに掲載されている授業料より、実際の年間負担は大きくなることがあります。

また、年間費用が安くても、所属審査まで数年かかれば、最終的な総額は高くなります。

養成所を選ぶときは、次の3つを比較してください。

  1. 初年度に支払う総額
  2. 所属審査までに支払う総額
  3. 仕事や学校を続けながら修了まで通えるか

有名な養成所や高額なコースへ入れば、必ず声優になれるわけではありません。

反対に、安い養成所を選ぶだけでも、十分なレッスンや希望する事務所への進路が得られない可能性があります。

費用、授業内容、所属経路、年齢条件、生活との両立を比較し、無理なく最後まで通える養成所を選びましょう。

関連記事


参考資料・参照サイト

本記事の内容を確認するにあたり、以下の声優養成所、公的機関、独立行政法人の公式情報を参考にしています。

参照日:2026年8月5日

※声優養成所の入所金、授業料、受験料、クラス編成、年齢制限、募集時期は、年度や校舎によって変更される可能性があります。申し込み前に必ず最新の公式募集要項を確認してください。

※記事内の初年度総額は、各公式ページで確認できる入所金、授業料、保険料などを合計したものです。受験料、振込手数料、交通費、教材、合宿、写真撮影などを含んでいない場合があります。

※公的機関が、声優養成所全体の平均費用や、声優になるために必要な学費を一律に定めているわけではありません。本記事で示した価格帯や予算例は、複数の公式募集要項をもとに独自に整理した目安です。

※奨学金や教育ローンを利用できるかどうかは、学校・養成所、コース、修業期間、申込者の状況などによって異なります。契約や借り入れの前に、各運営機関へ直接確認してください。

※本記事は上記の公式情報を参考にしながら、声優養成所の入所金、授業料、初年度総額、授業料以外の費用、専門学校との違い、支払方法、養成所の選び方を独自に整理・解説したものです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする